NSCAジャパン 顧問就任に寄せて

顧問写真

 この度、理事会の総意として顧問のお話を頂きました。最初にアスリートでもない私でお役に立つか否かをお尋ね致しました。NSCAジャパンの皆様方は教えられる資格を持たれた方々だと伺って居りましたので案じても居りました。その中で、「パーソナルトレーニングを受けて居られるのであれば是非に」と伺いましたのでお引き受けすることに致しました。

 数年前に手足の痺れがあり、整形外科の医師からはメスを入れるか、トレーニングで筋力をつけて抑えるかの選択を迫られて居りましたが、トレーニングのイメージは、腹筋・背筋やスクワットを汗まみれで行うイメージが強く、正直に申し上げて印象が悪うございました。水も飲まず行うものと勘違いもして居りました。正直に申し上げて辛いイメージを強く持って居りました。
 痺れの辛い中で、藁をもつかむ気持ちの中で、パーソナルトレーナーの方に5年前に出会いました。相性も合い、指導を受けて今に至って居ります。痛みは軽減され、体力ができ固い身体も軟らかくなってまいりました。自分自身の身体の癖も理解できるようにもなりました。トレーナーとの信頼関係は大切な要因であったと思います。現在の私は前とは違いトレーニングは、健康維持に必要不可欠であると考えが変わりました。

 トレーナーが当時の私を振り返り、クライアントの中でワーストスリーの中の一人と言っても過言ではなかったと話してくれたことがありました。体調がすぐれず、最悪のコンディションでの出会いでしたので、良く受けて下さったと感謝して居ります。ご苦労を掛けたと思いますが、直そうという気持ちを引き出していただき、本当に少しずつですが、いろいろなエクササイズを継続するうちに、毎日の生活動作における身体の使い方が変わっていくことを実感できるようになってまいりました。指導されるエクササイズは、常に理論的な裏付けがあるばかりでなく、飽きることのない多彩なメニューです。また、一見バラバラに感じるこれらのエクササイズが、実は互いに連携しあい、最終的に身体を機能的に使うことに帰結しているということに気付かされ、驚きの連続でした。そして何よりもエクササイズを楽しく継続できるということが自分自身の前向きな気持ちに繋がり、この原動力はトレーナーの心のこもった指導とは切り離せないということを痛切に実感しています。

  このように私自身のトレーニングやトレーナーに対するイメージは一掃されたのですが、まだ一般の方々にはハードルは高く、とりわけ女性にとっては、まだまだ私が以前に抱いていたイメージと変わっていないのが現状ではないでしょうか。アスリートのトレーナーになられる方々は多くはないと思いますが、トレーニングを必要とされている方は数多く居られると存じます。気が付いて居られないだけで皆様方は必要とされています。クライアントの筋力を知り、体調を考え、言葉だけで教えずトレーナー自ら何処の筋肉を意識するかをしっかり見せ伝えることもクライアントにとって必要不可欠だと実感しています。

 今後NSCAジャパンのメンバーの方々が、トレーニングは特別な方のものではなく、万民に大切なことであることを子どもたちから大人まで広めることが求められています。筋肉のリハビリテーション等にも力を発揮され、あらゆる方々のニーズに合わせて安全に楽しく指導できるトレーナーを育成していただき、多くの方々の健康と幸福に寄与され、邁進していただきたいと願って居ります。私も顧問としてその活動を応援させていただきたく存じます。

2012年9月
寬仁親王妃信子