リーフレット活用レポート(スクワット編)

(公財)全日本スキー連盟スノーボードチームフィジカルコーチ 筒井 健裕 CSCS, NSCA-CPT, 南関東AAD

活用風景1
写真提供:公益財団法人全日本スキー連盟
SAJ27 承認第01380号

 私は2010年から、全日本スキー連盟スノーボードチームにおいてフィジカルコーチとして携わらせていただいております。そのスノーボードチームで2015年5月に開催されましたアルペン、クロス、ハーフパイプ、スロープスタイルの4チーム合同合宿において、エクササイズリーフレットを活用させていただきましたので、報告をさせていただきます。
 スノーボードチームではシーズン直前の秋と、シーズンを終えた春の年間2回、全てのチームの強化指定選手および育成選手を対象に国立スポーツ科学センターにて合宿を行なっています。合宿では、各種体力測定を実施し、秋には「シーズンインの準備ができているか?」、また春には「シーズンを通じてどのように体力が変化したのか?」を評価してフィードバックしています。特にシーズン終了後の今回の合宿は、次のシーズンに向けてどのように準備していくかを考える、非常に重要な機会となります。
 今回は、フィールドテストのフィードバックとトレーニング計画の講義の際に「スクワット編」「胸部エクササイズ編」「爆発的エクササイズ編」の3つのリーフレットを配布させていただきました。
 特に、ハーフパイプやスロープスタイルの選手は中学生・高校生を中心とした年齢層が多く、これから基本的なトレーニングのスキルや習慣を身につけていかなければならない年代です。また、アルペンやクロスといった種目では、斜面をいかに速く滑走できるかといった部分で、体格がとても重要にもなりますし、海外の非常に大きなキッカーなどを飛び越えつつレースをしなくてはいけませんので、筋力やパワーは当然必要な体力要素となります。

活用風景2
写真提供:公益財団法人全日本スキー連盟
SAJ27 承認第01381号

 しかし、スノーボードの選手たちは、ほとんどが各地の所属先で個人単位のトレーニングを行なっており、学校で部活動に参加してトレーニングができるという選手も少ないという特徴があります。そのため「どうやってトレーニングしたら良いか?」と疑問をもったままオフシーズンを過ごしている選手も多くいます。また、各チームの選手が一堂に会する今回のような合宿では、講義形式のプログラムが中心となるため、トレーニングセッションには多くの時間を使うということはできません。そういった場合に、今回のようにリーフレットを配布できたことは、まずはエクササイズに関する正しい情報を知るための第一歩として、非常に有意義だったのではないかと感じています。また、選手だけではなく、実際に雪上トレーニング期間を共に過ごすコーチの皆さんや、治療・マッサージを行なうトレーナーの皆さんにも、正しいエクササイズの情報をご理解いただけることで、チーム全体で共通認識をもつことができ、年間を通じたストレングス&コンディショニングの維持も可能になると考えています。
 このオフシーズンからは、実践の場として定期的なトレーニング合宿も計画しており、そこでもリーフレットを活用させていただきながら、さらにスノーボードチームの体力向上を目指して活動していきたいと思います。


2015年8-9月号74ページ掲載